Xperiaシリーズのフラグシップモデル「Xperia 1」の最新モデル「Xperia 1 III(エクスペリアワンマークスリー)」が登場しました。高性能なチップを搭載し、カメラもますますアップグレードしています。Xperiaファンにはもちろん、スマホのカメラにこだわりたい人にもおすすめのモデルとなっているので、詳しく紹介していきます。 なお、発売はNTTドコモ、au、ソフトバンクからとなっています。NTTドコモでの価格は15万4440円(税込)で、フロストブラック、フロストグレー、フロストパープルがラインナップされています。auおよびソフトバンクの販売価格は現時点(2021年6月)では未発表で、カラーはどちらもフロストブラックとフロストパープルを用意します。

前モデルを踏襲した細長いボディ

Xperia 1 IIIの最大の特徴ともいえるのが縦長のボディです。ディスプレイは6.5インチで、本体サイズは71×165×8.2ミリ。たとえば、6.8インチのGalaxy S21 Ultraは76×165×8.9ミリです。高さは一緒なのに幅が5ミリ違います。たった5ミリですが、実物を手にしてみるとずいぶんスリムで持ちやすく感じます。 ディスプレイの縦横比は21対9になります。かなり細長いのですが、映画を観るときには最適な比率で、Webページを見る際にも縦の情報量が多くなるメリットがあります。逆に4対3の写真を表示すると、黒い縁(フチ)が大きくなります。どちらが良いかは使い方や好みによります。 重量も約188グラムと比較的軽量です。実は前モデルの「Xperia 1 II」より7グラムほど重くなっているのですが、ライバル機種の多くが重量を増しているために軽く感じるかもしれません。大画面モデルにしてはとても持ちやすく、ポケットへの収まりも上々です。

Xperia 1 IIIが新登場。Xperiaシリーズの最上位モデル

Galaxy S21 Ultra(右)と較べると高さは一緒だが幅が細い 重さもGalaxy S21 Ultra(右)と比較。かなり軽量なので持っていてラクな印象

本体の質感は素晴らしくボタンを満載

本体は「フロスト」という名称の付くカラーらしく、つや消しでとても良い手触りです。ダイヤモンドカットなどの派手な装飾はなく、高級感も文句なしです。ソニー製の高級コンデジを彷彿とさせるデザインで、実物を見ると欲しくなる人も少なくないでしょう。 面白いのが、ボタンが満載であることです。本体右側には、なんと4つのボタンが並んでいます。音量調整、電源(指紋センサー)、Googleアシスタント、カメラボタンが付いています。カメラボタンはてっぺんの部分がメッシュになっていて、手で触れるだけでスグに判断できます。電源オフの状態からこのボタンを押すとカメラが起動して、瞬時に撮影できるのは便利です。 電源ボタンには指紋センサーを内蔵しています。マスクをしていてもログインできるのは便利ですが、車に取りつけたりすると利用しづらくなるのがネックです。

本体は質感が良く派手な装飾がない

ボタンが満載なのは使い慣れると便利。一番下のカメラボタンが使いやすい

イヤホンジャックがあるのも、オーディオにこだわるソニーらしい

ディスプレイは美しく性能も文句なし

ディスプレイは高解像度な有機ELで、4K・HDRに対応しています。映画などを観ている際には、明暗がくっきりしてとても美しく感じるでしょう。最近は一般的になってきた120Hz駆動なので、動きの速いゲームも滑らかにプレイできます。 画質には満足できますが、Galaxy S21 Ultraと比較してみると明るさでは劣っています。明るい屋外で写真を撮影することを考えると、もう少し輝度を上げてほしいと感じました。 CPUはSnapdragon 888 5Gを採用しています。今シーズン最高性能のチップで、文句なしに快適に使えます。RAMが12GB、ROMが256GBと、こちらも余裕があります。高性能なスマホを購入して末永く使いたい人にもおすすめできます。

Galaxy S21 Ultra(右)のほうが輝度で勝っている

性能は文句なしで、快適に使える

カメラは可変式望遠レンズを採用

カメラは3つで、すべて1200万画素です。16ミリの超広角と24ミリの広角、70ミリ、105ミリの望遠となります。望遠レンズは世界初の可変式となります。レンズが動くことで70ミリと105ミリの2つの焦点距離で撮影できます。 実際に撮影する際には、0.7倍、1倍、2.9倍、4.4倍のボタンが表示されており、これがちょうどレンズと合っていると思われます。いわゆる光学ズームが2種類搭載されているのは斬新です。実際に撮影してみると画質は上々で、クセがなくスッキリとした色合いだと感じました。カメラは文句なしに最高クラスでしょう。 ただし、最近では1億画素を超えるレンズを搭載するスマホも少なくありません。それらと比べると、デジタルズームの倍率で劣ります。最大でも12.5倍までしかズームができません。また、動画は4Kまでしか撮影できません。8K動画の撮影を望んでいる人は要注意です。 なお、カメラアプリは前モデルまで2種類搭載されていましたが、Xperia 1 IIIより「Photography Pro」だけに統一されてわかりやすくなっています。今回はGalaxy S21 Ultraと写真を比較してみました。

通常撮影

標準撮影 超広角撮影 標準と超広角で比較しました。どちらもとても美しく撮れています。Galaxy S21 Ultraのほうが明るく、色合いはXperia 1 IIIのほうが美しく感じます。

近接撮影

花に近づいて撮影。やはりGalaxy S21 Ultraは明るいですが、Xperia 1 IIIも素晴らしい色合いです。

ズーム撮影

等倍で撮影 2.9倍で撮影 4.4倍で撮影 4.4倍で撮影 Xperia 1 IIIとGalaxy S21 Ultraそれぞれで等倍、2.9倍、4.4倍、12.5倍で撮影しました。

背景ぼかし

背景をボカして撮影。どちらも美しく撮れました。

写真にこだわる大人に

Xperia 1 IIIは、カメラが大きく進化しています。とはいえ、スペックだけを追い求めて画総数を上げるようなコンセプトではありません。1200万画素で美しく撮れることを追求したと考えてもよいでしょう。可変式ズームは光学ズームで安定した画質の撮影が可能です。 また、バッテリーの容量が前モデルの4000mAhから4500mAhへと増えているのも見逃せません。本体カラーを含め、派手さはありませんが、高級感のある落ちついたモデルとしてカメラ好きな大人におすすめします。 構成・文:戸田覚 編集:アプリオ編集部