米Googleは現地時間11月17日、SNS「Google+」を刷新したことを発表しました。主な変更点は、主要機能の選択と集中およびウェブ・Android・iOSでのデザイン共通化です。
コミュニティとコレクションの2機能を前面に押し出す
新たに設計し直されたGoogle+では、コミュニティ機能とコレクション機能が前面に押し出されています。 Googleによれば、ユーザー同士でグループを作成し交流することができるコミュニティ機能が活用されているようで、何かしらのコミュニティに新たに参加するユーザは1日あたり平均120万人に上るとのこと。また、2015年5月にリリースされたコレクション機能はより速い成長を見せているそうです。 Google+、トピックごとに投稿を分類できる新機能「コレクション」をリリース コミュニティは、同じ目的や趣味などに基いて繋がることを促進する機能。また、コレクションは、ユーザーが自分の投稿をタグ付けしてコレクションとして分類できるだけでなく、他のユーザーが自分のコレクションをフォローすることもできる機能です。つまり、両者ともにユーザーアカウントをフォローするものではなく、興味・関心を軸にしたコミュニケーションを促進するものとなっています。 Googleは、これらの機能が人気となっていることから、興味・関心の対象を発見し、共有することをサービスの基本思想に据え直したということになります。
ウェブ・Android・iOSでデザインを共通化
デザインの共通化は、Googleによるマテリアルデザイン採用の流れに位置づけられる変更です。 従来、Google+のデザインは、ウェブとAndroid、iOSといった各プラットフォーム向けに最適化されてきた経緯があるものの、ウェブ版とAndroidアプリもしくはウェブ版とiOSアプリを併用する場合はユーザー体験の統一感が損なわれている状況でした。 新仕様では、よりモバイルフレンドリーになり、スクリーンサイズに左右されない一貫性のあるマテリアルデザインの思想の下でUIを再設計。当然のことながら、最近デザインが変更されてきている他のGoogleサービス(GoogleドライブやGoogleマップ、Google Play Music、Inboxなど)と非常によく似たデザインになっています。
何が失われたのか、そして迷走は終わるのか
Googleは今夏、Google+のプラットフォームとしての機能を見直してストリーム機能に集中させる方針を示しています(詳しくは下記記事を参照)。 Googleがプラットフォーム構想を大転換、全サービスでGoogle+との統合を廃止 まずはYouTubeから ソーシャル分野で成功を収めるために強引に遂行してきたGoogleサービス全般とGoogle+との連結は、Googleフォトの分離やYouTubeアカウント統合の解消、ハングアウト専用サイトのリリース、Gmailアカウント作成時におけるGoogle+アカウント作成の非強制化などにより、次々に解消されていっています。 今回のGoogle+刷新は一連の改革の一端を担うもの。それを如実に表しているのが、Google+のメニューからハングアウト機能やページ機能、イベント機能への動線が消滅したことです。ハングアウト機能はアプリや専用サイトなどから利用でき、ページ機能も残されていますが、イベント機能はどうやら機能そのものが削除されてしまった模様。ストリームで人気の投稿を閲覧できる「注目の投稿」メニューも消えています。 ユーザー投稿が流れてくるストリームを、サークル(グループ)ごとにフィルタリングする機能も、初期設定ではオフになっており、Googleとしては推したくないものに格下げされたようです。これからはコミュニティやコレクションを中心に情報を摂取してほしいというGoogleの意向の反映だと思われます。 いずれにせよ、もともとGoogleサービス全体の基盤となるべく設計されたGoogle+が、ユーザーの興味・関心の共有を中心とする単独のSNSとしてまとまろうとしている事実は否定できません。これでGoogle+の迷走に終止符が打たれることになるのでしょうか。