Microsoftがハイパーラプス動画を簡単に作れるAndroidアプリ「Microsoft Hyperlapse Mobile」を一般公開しました。テスター向けベータ版は2015年5月にリリース済み。本アプリで作成された動画の時間的・空間的な滑らかさは特筆に値します。
このGIFアニメのようにヌルヌルなハイパーラプス動画が作れてしまうのです(右上の枠内が単純な早送り動画)。まるでFPSゲームをプレイしているかのような感覚に襲われます。
ハイパーラプスとは
ハイパーラプスとは、撮影者が移動しながら撮った一人称視点の動画を高速で再生する表現手法のこと。最近では、iOS向けにリリースされているアプリ「Hyperlapse from Instagram」が話題になりました。 National Geographicの動画がはやくも話題、Instagramのアプリ「Hyperlapse」が面白い
Microsoftの手振れ補正アルゴリズム
ハイパーラプス動画作成では、いかに手振れを補正するのかという難問の解決が求められます。ふつうに動画のフレームを均等に間引きするだけでは、ガタガタの早送り動画ができるだけだからです。 この点、Hyperlapse from Instagramでは端末のジャイロスコープを利用してリアルタイムで自動補正しているとのことでしたが、一方のMicrosoft Hyperlapseは問題へのアプローチが異なり、ジャイロスコープやカメラセンサーといったハードウェアに依存しないアルゴリズムによる補正をおこなうという手法を採っています。 このアルゴリズムは簡単に説明すると、まず撮影した動画から3Dモデルを構築し、スムーズに早送り再生するためのカメラの理想的な移動経路を計算、そして経路に沿っているように見せるために複数のフレームをピクセル単位で縫い合わせ、レンダリングするというもの。これにより、上記のGIFアニメのようなスムーズなハイパーラプス動画を作成しているわけです。
また、出来上がった動画だけを見ていると分かりづらいのですが、Microsoft Hyperlapseでは長くカメラ移動を停止させていると、その時間帯から切り出すフレームを少なくして再生時間を短くすることで時間的にスムーズな動画を作成されるようになっています。仮に4倍速再生を指定したとしても、横断歩道で赤信号待ちしている40秒間が単に10秒間に短縮されるのではなく、より短い時間で再生されるといった具合です。
最高32倍速で自撮りも可能
本アプリによるタイムラプス動画は、新たに動画を撮影して撮影して作成できるほか、既存の動画ファイルをインポートして作成することもできます。再生速度は、動画撮影もしくは動画インポート後に選択でき、1倍速と2倍速、4倍速、8倍速、16倍速、32倍速が用意されています。自撮り(セルフィー)やフラッシュ発光も可能。対応するOSバージョンは、Android 4.4以上です。