調査会社App Annieが公開したモバイルアプリ市場の調査レポートによると、Google PlayストアおよびApp Storeを合算したアプリの売上高で、日本が2013年10月にアメリカを抜いてトップに立ったことが明らかになった。また同時に、日本におけるGoogle Playのアプリ売上高が、ついにApp Storeのそれに並んだという。

スマホ普及とゲーム上位5社が成長を牽引

App Annieの指標によれば、2012年10月における日本のアプリ売上高を約100とした場合、2013年同期は約330となっており、1年で3倍以上の猛烈な伸びを記録している。 一方で、米国は2012年10月に約170と日本を上回っていたが、2013年同期は約310と2倍近くの伸びを示しながらも、日本の成長に追い抜かれる格好となった。

日本のアプリ売上がトップになった要因としては、スマホの普及が2013年に急速に進んだことが挙げられている。 スマホ普及率(人口比)は2012年の28%から2013年に42%となり、米国が同39%→44%だったのに対して高い成長率を示した。フィーチャーフォン中心だったデジタルコンテンツの購入が、スマホ市場に大きく移っていることがみてとれる。

ガンホー、LINE、コロプラ、セガ、バンナムが強い

さらに日本で顕著なのは、ゲームアプリ市場が大幅に伸びている点。

2013年はゲーム以外のアプリによる売上高が前年比で1.3倍だったのに対して、ゲームアプリでは3.9倍の伸び率となるなど、爆発的な成長を遂げている。 このゲーム市場のうち、ガンホー、LINE、コロプラ、セガ、バンダイナムコの上位5社の売上高が非常に大きく、5社以外のゲームデベロッパーの合計を上回っていたことも明らかになっている。

パズドラやLINEゲーム、黒猫のウィズなどの圧倒的な収益性が示されたといえるだろう。

日本のみGoogle Playの売上のほうが大きい理由

さて、同調査レポートの注目ポイントがもう一つある。日本に限っては、アプリの売上高でGoogle PlayがApp Storeに追いついたという点だ。

日本を除く全世界的にAndroidが優勢(OS別シェア)でありながら、他国では未だApp Storeの売上高のほうが倍以上という背景があるなか、なぜ日本のAndroid市場は強いのか。 調査レポートではその理由として、日本では伝統的にクレジットカードよる決済よりもキャリア課金が支持されており、2011年からGoogle Playにおいてキャリア課金が導入されていることを挙げている。

Google Playがキャリア決済に対応して以降、日本での売上高が14倍に増加したデータもあり、ユーザーが安心してスムーズに決済できる方法を整備したことが実を結んだといえるだろう。 さらに先日、Google Playプリペイドカードの発売がコンビニ等で開始されたばかりだが、これがAndroidアプリ市場の追い風となるのは間違いなさそうだ。

一方、ドコモからiPhone 5s/5cが発売されたことなどから、国内のスマホOSシェア争いはiPhoneに勢いがあるようにみられる。今後はどちらが伸びていくのか予断を許さない状況で、関係者にとってはいずれも無視できない市場となっていくと推察される。

なおApp Annieでは、日本のスマホ普及率が2014年には62%まで増加すると予想。アメリカの約50%(同2014年)を追い抜くと指摘したうえで、引き続き日本のアプリ市場が成長していくとの見方を示している。